「よーし、じゃあ飲むぞ飲むぞー」
「んもう、まだ未成年なんだからね!」
「かたいこと言うなよ。家の中は治外法権だぜ。だいたい青子だって飲むだろ」

ぶつぶつと言う青子のグラスにカルピスチューハイを、自分のグラスにビールを注ぐ。
何かつまみになるものはないかと台所を探したけれど、柿の種くらいしかみつからなかった。
食材はそこそこあるので、腹が空けば、青子に頼んで何か作ってもらえばいいだろう。

「んじゃま、乾杯!」
「乾杯!」

暖かな部屋でこたつに入って飲む冷えたビールは美味く、グラスの中身は一気になくなってしまった。
ぬるくなる前に残りも飲むかとグラスにビールを注ぐ。
見れば、 青子のグラスの中身もなくなっていた。

「おーいしーいっ、快斗、おかわり!」

まだ1杯目だというのに、青子の頬はすでに赤みを帯びはじめ、やたらにご機嫌で、甘い声でおかわりをねだってきた。
おいおい、甘いけど本当のカルピスじゃねぇぞ。

「なんでオメーのが飲む気マンマンなんだよ!」
「いーじゃない、どうせ飲むなら楽しい方がいいでしょ」
「未成年なんじゃねーのかぁ?」
「気持ちは20歳だからいいの!」
「気持ちは20歳、ねぇ」
「はいはい、おかわりお願いしまーす」
「もう酔っ払いかよ!」

 


どんどん飲ませる / ほどほどにしておく