そんなにたくさん飲んだわけではなかったけれど、はじめの勢いがよかったせいか青子が本気でとろりとしはじめた。
いつも早寝早起きな青子にとって、こんな時間に慣れない酒を飲んだとなれば、当然だろう。
甘いけれど、チューハイのアルコール度数はあなどれないのだ。
「青子、大丈夫か?」
「ん・・・」
鼻にかかった甘い吐息に、心臓がどくんと跳ねる。
お酒と暖房で青子の頬は桃色に染まり、そっと触れれば指先に熱が残るほどに熱い。
薄く開かれた唇は、口紅を塗っているわけでもないのに、紅く濡れていた。
こたつの中で、手のひらを重ねると、びくりと青子の体が震えたのがわかった。
指を絡め、指先でゆっくりと手のひらを愛撫する。
「っん・・・」
零れた吐息は、甘く、まるで誘っているかのようだった。
右の手は絡めたまま、反対の手を太ももへと伸ばす。
寒がりの癖に、スカートの中は生足で、柔らかな素肌の吸い付くような感触が心地よい。
そのまま優しく愛撫を繰り返しても抵抗されることはなく、青子はぎゅうっと唇を噛み、瞳はかたく閉じられている。
イタズラな手をとめれば、青子の閉じられたまぶたがゆっくり開かれた。
こちらをにらみつける視線に力はなく、それは強請るような上目遣いで、俺にとっては続きを催促しているようにしか見えなくて。
「・・・んか、こっちのがやべえ、かも」
ぞくり、と全身に電気が走る。
勢いのままに引き寄せ、唇を重ねる。
合わせた唇はすぐに離し、唇の端を舐めれば、青子はくすぐったそうに身をよじる。
緩く上唇を食み、また唇の端を舐める。
「かい、と・・・」
青子の方から重ねてきた唇は甘く、何度もキスを繰り返すうち、先に我慢できなくなったのは、やはり俺の方だった。
「青子」
「ん・・・」
「やらせて」
「な、ななな、なに言ってんの!」
俺の直接的な要求に、青子の蕩けそうになっていた意識が戻ってきてしまったようで、猛烈な勢いで体を離されたけれど、逆に腕をつかんで、腕の中に閉じ込めた。
緩く耳たぶを噛みながら、耳元でささやく。
「青子は違うのか?」
「え?」
「したくねーのか、って聞いてんだよ」
本当は、そんな事聞かなくてもわかっていたけれど、青子の声で、青子からも自分を求める言葉がほしかった。
「・・・したい」
「聞こえねーな」
「んもう、快斗、ズルイ」
「ずるくて、結構」
「快斗と、いちゃいちゃ、したい、です」
「りょーかい」
言うと同時に、もう一度重ねた唇。
長いキスの途中で目を開けて見た青子は、たまらなく愛しかった。
恋の(私が)耐久レース!
いちおう、姫はじめエンドその1です。
清く正しく全年齢対象なので、これが限度かと・・・。
こちらには、結構すんなりたどり着けたのではないでしょうか。
本人もよく把握してないんですけど(苦笑)姫はじめエンドがふたつ、その他が8つくらいあるので(ハッピーエンドとバッドエンドのくくりが曖昧なんですよね)、よかったら他のルートも探してみてください。
お付き合いくださり、ありがとうございました。