「あ はっぴーにゅーいやー!」

年の瀬も押し迫った午後11時55分。
ひとりこたつでまったりとしていたところに、べったべたの日本人英語と真っ赤なほっぺたを引っさげ、突然現れた青子は、やたらにハイテンションだった。

「・・・やっぱり冬はこたつでみかんで紅白だよなー」
「ちょっと!さっくりと無視しないでよね」
「いやだってまだ新年迎えてねーし」
「んもう、男の癖に細かいわね。仕方ないじゃない、寒くて快斗の家まで走ってきちゃったら、早く着いちゃったんだもん」

寒いなら、とっととこたつにあたりに来ればよいのに、青子は居間の入り口のところで、仁王立ちしたままだった。

「そういう青子は、何しに来たんだよ」
「ご挨拶ね、せっかく快斗と一緒に初詣に行ってあげようと思って誘いに来てあげたのに」
「頼んでもないのに、上から目線な上に恩着せがましいなんて」
「ほらほら、早く準備してくださいよー。あ、ちょうど日付変わったね。改めまして、あはっぴーにゅーいやー!」
「オメーこそさっくり無視すんなよ!」

冬休みに入ってからというもの、ここぞとばかりに仕事に精を出していたので、青子と顔を合わせるのは、クリスマス以来だ。
さすがにまずかろうと、年が明けたら青子を誘って初詣に行くつもりだったけれど、このタイミングで青子の方からやってくるのは予想外だった。
さて、どうしたものか・・・

 


こたつでダラダラとする / 初詣に出かける