どうせ青子を誘って行くつもりだったのだ。
わざわざ青子の方から来てくれたのに、無下に断って機嫌を損ねるのもうまくない。
「ったく、しょーがねえなぁ。付き合ってやるから、出かける準備しろよ」
「青子の準備は万全です!準備するのは快斗でしょ」
憎まれ口をたたきながらも、満面の笑みを浮かべた青子はほんとうに嬉しそうで、こたつのぬくもりに少し未練があったけれど、青子の笑顔と交換なら、まあそれも悪くはないと思う。
足りなくなったぬくもり分は、青子に埋め合わせしてもらえばいいだろう。
「で、どこに行くんだ?いつもんトコか?」
「えっと、今年は受験だし、ちょっと遠くの大きいところに行こうかなって思ってるんだけど・・・快斗はどっちがいい?」