「快斗・・・なんかズルしてるんじゃない?」
「言いがかりですか、青子さん」
「だって快斗強すぎじゃない?」
「オメーが酔って、テキトーかましてるからじゃねーのか?」
「うーん、それにしても勝てなさすぎると思うんだよね・・・」

青子の疑惑ももっともなもので、最初の数回をのぞいて確かにカードに細工はしている。
でも、それはあまりに弱すぎて、すぐに酔いつぶれてしまいそうな青子に有利なようにしているのであって、ほんとうに青子が勝手に負けていっているのだ。
にもかかわらず 、盃はどんどんと重なっており、今にもまぶたが落ちそうになっている。
あー、こりゃもうお開きだな、コイツも泊まりは確定だな、と思ったとところで、青子が机にぐにゃりと突っ伏してしまった。

「おい、青子、大丈夫か?水飲め、水」
「快斗ぉ・・・」
「ん?」
「もぉ、らメぇ・・」

甘い声に、俺の方がダメになりそうだった。



勢いに任せる / もうちょっと理性を保ってみる