「おい、青子、しっかりしろって」
抱き起こした青子は、すでに半分以上眠りの世界に誘われていて、だらしなく開かれた唇はまるで誘っているかのようだった。
「ん・・・かいとぉ?」
「うわ・・・」
顔を寄せても、無防備にこちらの瞳を覗き込んでくる。
頬に手を添え、顔を寄せても抵抗されることはなく、むしろひどく嬉しそうに、ふわりと笑い、目を閉じる。
頭では、安心して眠りの世界に誘われたのだとはわかっていたけれど、それはもう、キスを待っているようにしか見えなくて、気持ちが、体の方が反応してしまった。
「ん・・・」
勢いに任せ重ねた唇は素直に受け入れられ、そのまま、ちろりと下唇を食んでも、無抵抗だった。
さらに唇を食み、舌を差し入れても、青子は気持ちよさそうにしている。
そのままそっと押し倒し、首筋に舌を這わせる。
「ん、ふー・・・」
「青子?おい、青子」
解放した青子の唇からもれたのは、甘い吐息ではなく、明らかに寝息だった。
ぺちぺちと頬を叩いてもみても、ゆさゆさと肩をゆすってみても、起きる気配はない。
俺は、仕方なく青子を抱えてベッドへと運ぶ羽目になった。