どっちにする?



青子のせいでお魚キライになっちゃったなんて。

青子なりにちょっと責任感じて、がんばって毎日作ってるのに・・・。
ほんとはお魚の料理の方が手間かかるんだよ。
なのに、相変わらず快斗はひとくちも食べてはくれなくって。

「あーあ、どうすれば快斗はお魚食べれるようになるのかな・・・」

思わずもれたため息。
お皿を洗いながらだったし、ちっゃくつぶやいたつもりだったのに、快斗にはしっかり聞こえてたみたい。

ふわっとまわされてきた腕。
ふっと気づくと、快斗に後ろから抱きしめられていた。


「だったら・・・」

耳元で低くささやいてくる。
・・・なんかいやな予感。

「魚の思い出なんて忘れちまうくらい」
「え?」


こういう予感は、当たる。
こういう快斗は、あぶない。

「青子が俺にちゅーちゅーしてくれたら、俺食えるようになるかもしれないぜ?」

俺に、ちゅーちゅー・・・?
・・・え、え、ええええええええええええ!!

「な、ななっ、なに。ににを。それって」
「だから、青子が俺の全身をだな、ちゅーちゅーれろ・・・」
「ご、ごめ、言わなくて、言わなくていいからっ!」

なに、考えてるのっ!
そんなこと、青子にできるわけないのわかってるくせにっ。

「責任、とって忘れさせてくれねーの?」

そんなことを言いながらぺろりと耳たぶをなめてくる。
やっぱり、なに考えてるのーっ!!

「なあ、魚食えるようにしてくれるのか?それともあきらめてくれるのか?」


なぁ、どっちにする?

耳元でやさしく囁いて迫る快斗の声に、抗うなんてできなくて。
せめてもと快斗の腕の中、ゆっくり振り返り、頬に唇を寄せる。

これで許してもらえるかは、わからないけれども。


2005/1/28

こっちも佐々木さんに


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