「たこ焼き、たこ焼き食べたい!」
「この時間にそんなに食うと太るぞ」
「じゃあ、お好み焼きでもいいよ」
「さらにヘビーだろが!」

俺のせっかく忠告してやったというのに、青子はとにかく粉ものが食べたかったようで、それでもさんざん迷った挙句に、たこ焼きを買って俺と半分こすることになった。
参道には、まだまだ人も多く、迷惑にならないように露店の裏側にまわる。
少し離れたところにベンチが見えたので、そこまで移動して、たこ焼きを食べることにした。

たこ焼きを食べながら、露店が立ち並ぶ参道を見れば、闇に明るく浮かび、薄暗いこちら側とは別の世界のようだった。

半分こね!と言っていたくせに、青子はもりもりとたこ焼きを片付けていく。

「青子、ソースついてる」
「へ?」
「ほんっと、お子様だよな」

ここは暗いのであまり目立たないけれど、このまま明るいところへ出れば、確実に恥ずかしい思いをするだろう。
ぺろり、と舐め取ると、ぅひゃあとかなんとか、変な声を出した後、青子はぷいっとそっぽを向いてしまった。
たぶん、真っ赤になっているのだろう。

やばい

暗闇と舌に残る青子の肌の柔らかな感触が、理性のたがを少しばかり緩ませる。
青子を引き寄せ、こちらを向かせ、柔らかく唇を啄ばむ。


「ちょっ、と快斗、こんなとこで・・・」
「誰も見てねーって」
「ん・・・」

何度も唇を重ねれば、抵抗の声が甘さを帯びる。
久しぶりの青子に、完全に欲望の扉が開いてしまった。

そのまましっかりと腰を抱き、空いたほうの手は太もも、そしてスカートの中へとのばす。
やわらかな唇を激しく貪り、指先を、さらに奥へとすすめようとしたところで、青子が腕を突っ張り、がばりと体を引き離した。

「ちょ、ちょっと、もうだめだって!!」
「こっからなのに・・・」
「だめだめ、だめだって、こんなところで」
「じゃあ、ここじゃなきゃいいのかよ」
「そ、そういう問題じゃないでしょ!」

反応を見れば、青子だって決していやがってはいるわけではなさそうだったけれど、俺の隙をついて腕の仲から逃れ、さっさと人混みの方へと歩いてゆく。

「ちょっと待てって、悪かったって」
「ん、もう、エッチな人は知りません!」
「ああもう、わーったよ」

 


お参りに行く