「いやっほーい!さっむーい!ちょっと快斗、寒すぎるんだけど!」
「いやいやいやいや、だからオメーのせいだろうが。このクソ寒い中自転車とか自殺行為すぎたろ」
吐く息はやたらに白く、でも、すぐに真っ黒な夜へと溶けてしまう。
頬を突き刺す風は冷たかったけれど、背中に当たる、青子の暖かさ、重みが心地よい。
月のない夜空を見上げれば、星がきれいだった。
このまままっすぐ家に帰るのは勿体無いなんて言ったら、青子はどうするんだろうか。
でも、新年から青子とふたり、バカみたいに笑いながら自転車をこいで初日の出を見に行くのも、悪くない。
「あーおこ!」
「なーにー」
「初日の出見に行こうぜ!」
「いいね、いいね、行っちゃおう!」
「お、ノリノリだな」
「だって、このまま帰っちゃうの、なんか勿体無いもん」
青子も同じ気持ちでいてくれたことがなんだか嬉しくて、俺はペダルを踏む足にさらに力をこめた。
恋の(私が)耐久レース!
個人的には、このエンドルートがいちばん好きです。
よかったら他のルートも探してみてください。
お付き合いくださり、ありがとうございました。