「じゃあね。今夜は付き合ってくれてありがとう」
「おう、またガッコでな」
帰宅したのは、もう明け方近かった。
しばらくは、仕事の準備に追われ、ゆっくり会えないだろうと思うと名残惜しかったけれど、警部もそろそろ帰ってくる頃だ。
後ろ手に手を振り、立ち去ろうとしたら、呼び止められた。
「快斗!」
「なんだ?」
「忘れ物」
「忘れ物?」
振り返った途端、駆け寄ってきた青子に、両手をぎゅっと捕まれた。
驚いてひるんだところに、追い討ちをかけるように、唇に柔らかな感触が押し付けられた。
「あああああ青子。おま、ちょ・・・」
「だって」
自分からこういういたずらを仕掛けることはあっても、今まで青子からするなんてなかったから、突然のことに、思わず俺の方が慌ててしまった。
すぐに ポーカーフェイスを貼り付けようとしたけれど、うまくいかなかったし、すでに手遅れだった。
声もぶっきらぼうになってしまう。
「だって、んだよ」
「新学期まで会えないの、寂しいな、って思ったから」
少し頬を赤らめながら、それでも俺の方をまっすぐに見て言う青子が愛しくてたまらない。
「カワイラシーこと言ってくれるじゃねーか」
「・・・・・・イヤ、だった?」
「んなわけ、ねーだろ」
つかまれていた手を解き、俯いてしまった青子の顎に指をかけて上向かせ、今度はこちらからキスをする。
目の前で青子の瞼が溶けてゆく。
青子の唇は甘く、俺は心が溶けてしまいそうだった。
新学期までに、なんとかもう一度青子との時間をつくろう。
そう、心に固く誓い、でも今は青子の甘さに唇と意識を委ねた。
恋の(私が)耐久レース!
姫はじめではないけど、ハッピーエンドになると思います。
ちょっと展開ムリだったかなーと思うので、時間があればもうちょっと書き込みしたいです。
よかったら他のルートも探してみてください。
お付き合いくださり、ありがとうございました。