指を絡めて、寄り添って
ぐるぐると巻きつけたマフラーに深く顔を埋めて尚、ひゅうひゅうと吹く風が頬を突き刺す。まぶたをかすめてゆく。
灰色の空からは、今にも雪が降りそうだった。
「寒いね」
「寒いな」
どちらからともなく絡めた指。
触れたところから、快斗の熱がじわりと伝わってくる。
もうちょっと。
もう少しだけぬくもりがほしくて、そうっと快斗の腕によりかかると、ゆるくさらに引き寄せられた。
はらはらと降りだした雪は薄く、白い吐息の中へと融けて消え、髪に、肩に降り積る雪も、ふたりの熱でじわりと消えていった。