あひるの危機を回避せよ



「では、来週は歌のテストをします。曲は、班のみんなで決めてくださいね。あ、でもアニメの歌や歌謡曲はダメよ」
「はーい!」

元気よく返事をする子供達の中、ああ、ついに来たか、とげんなりしている少年が一人。
音楽室から教室へ戻る途中、イヤイヤオーラを発しまくっているのも関わらず、お構いなしに話しかけてきたのはいつもの面々。

「なぁ、チャンスだぜ、コナン。みんなで歌えば誤魔化せるぞ」
「そうですね。ここはみんなで頑張って、コナン君の音楽の成績をなんとか人並みにしてあげましょう!」
「賛成!」
「いや、べつに、そんなこと気にしてねーから・・・・・・・」
「バッカ、班別なんだから、コナンがしくじったら俺たちも巻き添え食うだろが」
「本音はそれかよ」
「選曲は重要ね。みんないっしょでも、普通に歌ったくらいじゃこの音痴は隠せるもんじゃないわよ」
「灰原オメー、そんなはっきりきっぱりと・・・・・・」
「じゃあね、かえるの歌とかどうかな?輪唱してまんなかにコナン君はさめば誤魔化せないかな」
「ダメですよ。輪唱はハーモニーが命ですよ。逆に目立ちすぎます」
「じゃあ、森の熊さんとかはどうだ?半分くらい掛け声みてーなもんじゃねーか」
「それいいですね!3つのパートに分けて、コナン君と元太君がいっしょに歌えば!元太君ができるだけ大きな声で歌えばバレないかもしれませんね!」

本人を前に、聞けば聞くほどヘコむ内容の会話を繰り広げながら、元気に前を歩く3人。

「愛されてるわね、江戸川君」
「ハハハ・・・・・・」



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