流れる



泣かないで、僕の・・・








蘭と「僕」がはじめてであった場所
薄暗い室内で、彼女は本のスキマにうずくまって泣いていた

部屋の中に響くのは、窓をたたく規則的な雨音と小さな嗚咽

体にまとわりつく生ぬるい湿った空気は雨のせい?
それともとめどなく流れ続ける彼女の涙のせい?


あれからもうどれほどの時が流れたのか

お前を守るために重ねた嘘
お前の身を危険にさらす真実

どちらの罪の方が重いのだろう



「僕じゃ、ダメ?」

「・・・コナン君?」

「僕じゃ、新一にーちゃんのかわりになれない?」

「・・・。」

「好きなんだ、蘭・・・。」

「コナン、君。」



真実はほんとうにいつもひとつなんだろうか



手放したくないもの。
誰にも渡したくない。

溢れた想いが伝えた言葉に嘘はなにひとつないけど
ほんとうは、こんな形じゃなく伝えたかった

君を待たせて傷つけて

その罪は消えないけど
それでも



抱きしめた彼女の肩は、自分の手にはあまるほどで
2人の間に流れる時間の差を思い知らされる


ずっとそばにいたのに
すっとそばにいるのに


これ以上、彼女の涙が流れないように
蘭の頬に、そしてまぶたににそっとキスを落とす

ゆっくりと目を開いた彼女は
さらに大きな涙の粒をこぼして
俺の体をぎゅっと抱きしめた。


流れるなみだをとめることができるのは、ただ一人
ただ、それは「僕」じゃない

以前の日記で書いてた夢はこんなかんじでした。無論、ミシマが蘭ちゃん役で(笑)


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