誰にも言えない



「どうしたの、青子ちゃん」
「しんい・・・コナン君」

夕暮れの公園でぼんやりベンチに座って夕焼けを眺めている少女。
自分の幼馴染によく似たその顔を見間違うわけなんてなかった。
なにか悩み事でもあるのか、近づいた俺に全く気づいてないようだった。

しっかし、いつも無用心だよな・・・。

同い年なのだけれど、ちょっと、いやかなり幼さの残るところがなんだか妹のように思えて、彼女を見るといつもほおっておけなくなる。
並んだところは、明らかに自分のほうが弟なのだけれど。

「僕でよかったら話聞くけど」
「うん、じつは、ね・・・」

話しづらそうにしていたのも当然かと言う彼女の悩みは、健全な「小学生」にはちょっと刺激的な内容で。


「・・・あいつ、そんなことしてんの?青子ちゃんに」
「ねえ、やっぱり 新一君も蘭ちゃんとそういうことしてるの?」
「お、俺は別に蘭と付き合ってたってわけじゃないし、第一今はこの状態だし・・・」

ひょんなことから正体がばれて、彼女は俺が工藤新一だということを知っている。
そうじゃなけりゃ、こんな話題小学生にしたりしないだろう。

「じゃあ、元に戻ってお付き合いしたら、する?」

する?ってきかれても
するのとしたいのは違うし。

「むー」
「あー・・・」

見た目は子供となかみが子供2人の苦悩は、もうちょっと、
見た目もなかみも大人な問題人物が、少女を迎えにくるまでつづく。






「あーおーこ、と名探偵ぇ?なにやってんだこんなとこで」

ちょっとむっとしたかんじで歩み寄ってきたのは、まさに今話題に上っていた人物。
二人っきりでベンチに座っていたのが気に食わなかったのか、かなりゴキゲン斜めのようだ。


俺は、快斗をちょっと離れたとこまで引っ張っていった。

「お前・・・青子ちゃんがなにも知らないと思って何やってんだよ、何を」
「青子の奴、よりにもよってお前に聞くかねぇ・・・」

あっちゃぁ〜といったかんじで、快斗は頭を抱えたが、心の中ではそんなこと思ってないであろう事はみえみえで、口調はうらやましいだろという響きを含んでいた。

でも、ふっとマジメな表情になって。
ベンチで快斗の持ってきた缶汁粉を飲む幼馴染を優しい目で見つめる。

「いいんだよ。青子にとっては、それがほんとなんだから」
「・・・どういう意味だよ」
「青子は俺以外の奴とそんなことしないから。他のやつの事なんて、一生わかんないじゃん」

しない、じゃなくて、させねーだけどな。

お前だってそうだろ?そんな感じで怪盗はにやりと笑って
どこからだしたのかちょっとぬるくなった缶汁粉を投げてよこした。

2005/1/28


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