鎮魂歌(の後日談)
こんな、ユメを見た――
「あーあ、結局2時間待ちかよ」
「仕方ありませんよ、元太くん。こればっかりは」
「哀ちゃんも来ればよかったのになー」
「・・・オメーら、オレが並んでてやるから、他んとこ行ってこいよ」
結局この前は楽しめなかったからと連れ出されたミラクルランド。
ぶーぶーと文句を言いながら長蛇の列に並ぶ少年探偵団の3人に苦笑いを返す。
じりじり暑苦しさが増していくように感じるのは、じりじりと照りつける太陽のせいだけではない、と思う。
このまま不満を聞き続けるよりは、せっかく購入したフリーパスを無駄にするよりはと提案すれば、三者三様の反応がかえってきた。
「いいんのか、コナン!」
「でも、コナン君にだけ並ばせるなんて悪いよ・・・」
「この前みたいに、譲ってしまうかもしれませんしね!」
「やんねーよ・・・」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「ありがとよ、コナン!」
「あとで交替に来るからね」
元気よく駆けていく3人の後ろ姿を、ハハハと乾いた笑いで見送る。
ふうとため息をつき、さて、どうやって時間をつぶそうかと自分の携帯に視線を落とした瞬間、背後に視線を感じた。
そこに好意的なものを感じられなくて、ゆっくり振り返れば、そこにはアイスクリームを両手に、かもし出す雰囲気とは裏腹の、にやにや笑いを貼り付けたオトコが、ひとり。
「よーぉ、ボウズ。今日はデートかぁ?」
「・・・見てたくせにしらじらしい」
「お相手はボンキュッボーンなお姉さんの方か〜?それともあのちょっとクールな子の方かなぁ?」
「しつこいな・・・蘭は園子とケーキバイキング。灰原ははなっからパス。で、そんなオメーはこんなとこでなにやってんだよ」
「へ?あー、オレはお姫様のご機嫌取り、ってとこかな。ったく、自分から来たいって言ったくせによー」
これも自腹なんだぜ、と両手のアイスを大げさに持ち上げ、悪態をつきながら肩をすくめては見せたものの、その表情は本当に嫌がっている風ではなかった。
むしろこれはのろけられているとしか考えられない。
惚気・・・?
『あそこに大切な人が――』
あの時のあれは、ひょっとしたら本当に?
「なあ、この前ここに閉じ込められたって言ってたのって、その――」
からかう口調で問いかけたのだけれど、こちらに向けられる視線が、あまりに真剣なものに変わっていったから、そのままの調子で問い続けることがためらわれて、思わず口ごもってしまった。
ほんの少しの沈黙。
その沈黙を破ったのは相手の方からで、ニヤニヤ笑っていたけれど、その瞳には少しの寂しさが混じっているようで。
「おいおい、オレは・・・・・・あなたのように迂闊ではありませんよ、名探偵?」
「な・・・っ」
「ほんとう大切なものは、大切ならば、近くに置くもんじゃ、ない ――」
ぴしゃりとそう言いきった時の、奴の表情には、もうふざけた感じはなくて、あまりにも真剣で、言葉に詰まってしまった。
「っと、アイス溶けちまう。またな、ボウズ?」
そう言って、ひらひらと手を振り去っていくやつは、もういつもの人懐っこい笑みを浮かべていた。
拍手に、私が、ほんとに見た夢を書いてゆくという、イタタタタ・・・なテーマでのせてたはずのもの。つか、アップしてなかったかも?
だって、鎮魂歌見た後に見た夢、って書いてあった。アップしたものに、ああいう注釈つけとかないはず。
デートしてるものの、思わせぶりなこと言ってるものの、快斗と青子はまだ幼馴染だと思います。
そして鎮魂歌ベースなのに、ナゼかコナンはキッドの正体を知ってるという。。。まー、そこは夢だからごカンベンです。