「ひゃぁっ!」
「なに?」
「なななななななナニ!今の!?」
「なにって・・・べろちゅー?」
「どうして舌を入れる必要があるの!?」
「どうして、って。そりゃおめー・・・まぁ、何回かしてりゃわかるって」

答えにならない答え。
いやらしーい笑みを浮かべ、ずずずいって近づいてくる。
いっつも快斗の思い通りになるのが悔しくて、小さな抵抗を試みた。


「・・・なあ。歯磨きじゃねぇんだから、キスするときにそんな歯をぎりぎり閉じてたらおかしいだろう」
「だって、快斗また舌入れてくるでしょ」

こんなことくらいで、快斗が引き下がるとは思えない。
案の定、また、何か思いついたようで、企んでますよーって顔で、私の方を見てる。


案の定、表情はそのままに、ずずずっと近づいてきて、もう一回。
でも今度は・・・。


「キャー!」
「なんなんだよ」
「い、いま、いま・・・」
「あー、口ひらかねーと何回でもやるぜ?」
「へ、へんたい?快斗ってヘンタイ!?」
「バカ。んなわけねえだろが」
「舌れろれろも、歯ぐきれろれろも、どっちもイヤー!!」
「アホ子、ぜってー舌の方がいいって」

そのうちよくなるんだって。

ちっちゃくつぶやいたの、聞こえたけど。
どう考えてもそうは思えなかった。


2004/12/15


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